国境なき大気汚染 2
工場から出る廃水は、汚水処理されていない下水や農業廃水とともに、東ヨーロッパと当時のソ連のほとんどの川や湖、海岸を汚染してきました。
チェコスロバキアでは、廃水のうち適切な処理を施されるのは40パーセントにすぎません。
ハンガリーでは毎年、13億立方メートルもの未処理の下水が同国内の河川に流れ込んでいるのです。
ポーランドでは、首都ワルシャワをはじめとする都市の半数と、工場の35パーセントが、廃水をまったく処理していません。
1988年には、ソ連でも下水のうち適切に処理されたのは30パーセントにすぎませんでした。
50パーセントはおざなりな浄化しかされず、残りの20パーセントはそのまま環境に放出されてしまったのです。
リトアニアのカウナスやラトビアの首都リガなど、ソ連の多くの大都市ではいまだに下水処理施設がありません。
東ヨーロッパやソ連ではどこでも、きれいな飲料水が極端に不足しています。
ハンガリーの3000の町のうちの700あまりの町に住む人々(30万人)は、農薬や肥料の硝酸塩を含む流出水で井戸が汚染されてしまっているために、びん入りの飲料水か近隣の町からパイプで送られてくる水を飲んでいるのです。